{ことば} {意味}
あけび {夜明け前にアワビやさざえを取りに行くこと}
あひた {明日(あした)}
あんきな {楽な}
おとご {末っ子}
おどろ {草むら、しげみ}
おとこし {男の人}
おなごし {女の人}
おま {わたし}
がぜ {漁師}
きやつかましい {いらいらさせる}
ごうがすく {腹が立つ}
じいやあ {おじいさん}
ばあやあ {おばあさん}
しぎょい {間隔がない様子}
じょうり {ぞうり}
すねぼうさあ {ひざ}
せる {物を押すこと}
てんぽうもない {とんでもない}
ながいもん {へび}
兄(にい)・姉(ねえ) {呼びかけ(呼称)に使う}
はさん棒 {果実などを落とす時使用する棒}
ひだるい {空腹の状態}
ひる(干る) {潮がひく}
ひんち、よばれ {法事}
へらこい {理屈の通らない、おかしなこと}
ほうばい {友達、友人}
めんめ {自分、各自}
そけ {物の量}
(風)
こち {東風}
まじ(真風) {南風}
あなじ {北西風}
やまじ {台風}
また、慣用的表現の中にも特有の言い方が存在する。例えば、次のようなものがある。
<なりが遠いー実りが悪い>
「今年は、みかんのなりが遠いのう。」などのように用いられる。
<てーていくー連れていく>
<てーてくるー連れてくる>
「てーていきいや。(連れて行きなさいよ。)」、「てーてきいや。(連れて来なさい
よ。)」などのように用いられる。
<何しか?ー何をするのか?>
「今日はなにしか?(今日は何をするのか?)」のように用いられる。
これらの方言には、岩国市本土にはみられない地域性がうかがわれる。つまり、柱島は、海に囲まれ漁業を主要産業とするので、本土では、使用する機会のない語いを利用する場合がある。例えば、「あけび」のようなものがそれである。また、「こち」「あなじ」「まじ」のような語は、風のことにさほど気をとめなくてよい本土では聞けないのが必然のように思われる。
また、もう一つ気付くことは、方言の使用頻度の高さである。本土ではすでに標準語化されている語も柱島では方言で表されることが多々ある。それは、柱島の高齢化と若年層の減少が原因するのであろう。(若年層は、マス=メディアの影響で標準語化されやすい。)
(2)アクセント
次にアクセントの面から、柱島の方言をみてみる。特徴的なのは、二音節の動詞のアクセントである。全ての二音節動詞が特有のアクセントで発音されるわけではないが、特徴的なものを以下に挙げてみる。
(例)
「柱島」 「市内本土」
。
・血が出た ・血が出た
。
・月が出た ・月が出た
。
・人が来た ・人が来た
。
・山を見た ・山を見た 。頭高の発音
。
・人を見た ・人を見た
。
・家にいた ・家にいた
上の例のように、市内本土では、頭高に発音される「出た」、「来た」、「見た」、「いた」が、柱島では、平板に発音される(標準語が頭高)。
ところが、市内本土では平板に発音される「あります。」が、柱島では、「おはようあります。(おはようございます。)」のような場合、「あ」にアクセントがあり、「あります」と発音されることが多い。
以上が、調査範囲内での柱島特有の方言である。